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9月16日(月)  
 
 どうも最近気になっているのが,役に立つ勉強と立たない勉強という言葉である.
学生も使うし,同業者間でも使われる.学生もしくは元学生が「大学の勉強なんて社
会に出てなんの役にも立たない」なんていう風に使う.そして,役に立たない勉強より
も資格試験や公務員試験のほうが大事で,その結果,大学の勉強が疎かになるの
は当然という三段論法に結びつく.
 大卒だって資格だと思うんですけどね.だから水準に達していなければ,おとされ
ることだってあるでしょう.まあその水準なるものが恣意的に設定されており信頼に
値しない,よってそんな評価で自分の将来が妨げられることなどあってはならないと
いう見解はあるかも.でも資格試験や公務員試験の合格基準の信頼性について,
そういう人達は無条件に肯定できるほど情報を持っているとも思えないですけどね.
さらにいえば公務員試験や資格試験の勉強が合格後にどれだけ生きてくるものな
のか,これはぜひ経験者のお話を伺いたいですね.

 研究者仲間だと「そんなこと勉強してもムダ.早くからやってるやつには敵わない
んだから」とか「自分の論文に直接反映しない勉強はムダでしょう」なんて類のコメ
ントは直接的にも間接的にもよく聞きます.たとえばこの夏,私はICPSR Summer
Programにおいて,Complex System Modelingのコースを聴講しましたが,私がこの
分野で論文書くことなんておそらくないでしょうから,その講義を聴いてあげくよくわ
かりもしないプログラミングのセッションにでてたことなんて,そういう意味ではムダ
の最たるものなんでしょうね.そんな暇があったら自分の研究を進めてアウトプット
を出せということになるんでしょう.

 でも私は,そういう助言に従う気にはあんまりなれないんですね.自分の脳みそが
今勉強したいと望んでいることを勉強するのが一番だと思っているので.自分の脳
みそが活性化することが私にとっては一番大事なことで,「知りたい」と思っているこ
とに取り組むのがそれには一番いい.それに頭の普段使わない部分を使うのは,
やはり頭にいい気がします.「大切なのは足跡ではなく,むしろ足そのもの」というの
は銀色夏生の詩集『これもすべて同じ一日』の一節ですが,これは私の座右銘の1
つです.

 役に立つとか立たないとかは多くの場合,自分以外の外部環境によって決まる外
生変数なんですが,私にとっては自分の脳みそが活性化する勉強はそれ自体で十
分「自分の脳みそが活性化するという役に立つ」勉強です.役に立つ勉強かどうか
は私にとっては内生的に決まる部分がかなりあります.
 だいたい外生変数にばかり決定される人生ってつまらなくありません?無視はで
きないにせよおつきあいはそこそこに,あとは好きなことやって生きるのが人生の
喜びというものではないかと思うのです.

(B.G.M. "SPIRIT" by Suga Shikao)

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