早いもので渡米してから今日で2ヶ月になります。慣れたといえば慣れた所もありますが、それでも
毎日いろいろなことがあります。英語は相変わらず上達せず、セミナーのプレゼンは原稿棒読み、院生
たちのディスカッションにはなかなかついていけず、研究室にかかってきた電話の意味がわからずフリ
ーズしてしまったり。ですがまあ元気に生きております。
今日はBirch RunというOutlet Mallに家族と買い物に行きました。ここ数日は大変温かかったので
すが、やはり最近はなかなか寒い日々があります。ということで、冬物を一気に仕入れてきたわけです
ね。これでミシガンの冬を迎撃する準備が少し進みました。
自宅に帰ってPCをネットにつなごうとしたら、プロバイダに接続不能。パスワードがおかしいようで
す。といっても昨夜はつながっていましたし、パスワードをいじってもいません。ということで、明日
はこの状況を改善すべく動かねばなりません。あと運転免許。まだ実地試験受けてないのです。先日、
隣町であるYpsilantiのDriving Schoolに行ったら、「来年の1月まで予約がいっぱい」といわれた
ので、別の所で受けようと思っているのですが、それを確定し予約を入れなければなりません。これも
明日やってしまおうと思います。電話嫌なんですけどねえ。また、金曜の夕方、研究室に入った謎の電
話。手がかりがないわけではないので、これについてもちょっといろいろつついてみなければ。
あとは火曜日にあるInglehart教授のセミナーのためのreadingでしょうか。もう少し、議論について
いけるようにならないとなあ。このセミナー、いろいろな意味で非常に勉強になります。Inglehart教
授の教授法を間近で見られますし、彼が厳選した文献がreadingsとして出されるわけですから。ちなみ
に今度やる文献は、
Ronald Inglehart 1997 Modernization and Postmodernization, Princeton
University Press,
ch.6 and 10.
Ronald Inglehart and Christian Weizel ???? "Public Support for Democratic
Institutions:
HOW SOLID IS IT?"
Adam Przeworski and Fernando Limongi, 1997 "Modernization Theories
and Facts," World
Politics(49):155-83.
Inglehart(1997)については批判の声も聞きましたが、いい本だと思っています。一番気に入っている
ポイントはプレモダンとポストモダンを明確に区分している点。
アメリカの大学では膨大な量のreadingが課されて、それを読んでいることを前提に議論がされると
聞いていましたが、イングルハート教授のセミナーはまさにそうです。ただ、彼のセミナーで課される
文献の量は、院生たちの話からうかがうに相対的には多くはないようです。でもこれだけの量をこなさ
なければ見えてこないものというのがあるんだなというのがよく実感できます。そして限られた時間で
膨大な量の文献をさばくためにどういう読み方が必要かということも、体で学ぶことになります。200
頁近い文献をcriticalに読んで、10分程度のコメントを口頭で行うというのが今の所、イングルハート
教授のセミナーで課されていますが、これをいくつもやっているほかの院生たちが鍛えられていないわ
けがないという感じです。要約のような報告では院生たちからも「批判点はないの?」と必ず突っ込ま
れます。
9月28日(金)
アメリカでのテロ事件で犠牲になった飛行機は4機。うち1機はピッツバーグ郊外に墜落したわけですが、
これについての情報が乏しい感じがして、地元紙の情報を集めてみました。
http://www.post-gazette.com/headlines/20010911somerset0911p4.asp
http://www.post-gazette.com/headlines/20010912crashnat2p2.asp
http://www.post-gazette.com/headlines/20010925scene0925p2.asp
どうも釈然としないですねえ。
9月15日(土)
火曜日の惨劇から4日たって、アメリカはすっかり戦闘態勢に入った感があります。あの事件のために、
今週は私の気分もやや沈みぎみで、いやな考えがいくつも頭をよぎりました。ただ1つ言えることは、軍
事行動や制裁によって、この種のテロリズムは絶滅させることは不可能ということ。軍事行動に効果は
あったとしても短期的なものにとどまる。つまり、制裁だけではなく、人々をこの種のテロリズムへと向か
わせるインセンティブをどう排除するかということを、包括的に考える必要があります。
アメリカが第2次世界大戦中の日本ほどのバカでないとすれば、報復攻撃
を始めるにせよ、どこで終わらせるかを今から検討しているでしょう。戦争は、
夫婦喧嘩同様、始めることより終わらせることのほうが難しいというのが歴史上の教訓です。アメリカお
よびその支援勢力による報復攻撃に対する支援策を、小泉内閣は検討中のようですが、報復をアメ
リカが終結させるための支援策も、日本政府には真剣に検討してもらわなけ
ればなりません。
また影響力としては間接的なものに留まるかもしれませんが、このような事件の再発防止のための
枠組構築についても同様です。
9月14日(金)
友人(と勝手に思っている)にして同業者の三竹直哉さんのホームページを久々に見ていました。彼の
教育者としての活動にはただただ頭が下がります。
最近は体調を崩しておいでのようですが、一刻も早いご快癒を切に祈ります。
9月13日(木)
映画の中でしか起きないようなことが起きてしまいました。被害に遭われた方々には心から、お見
舞いを申し上げます。私の住むアナーバーは田舎ですから、テロの標的になりそうなものはないは
ずなのですが、大学の建物に爆破予告が入ったりもしたようです。おかげでセミナーが中止になりま
した。
テロ自体は許しがたい行為ですが、また際限のない報復合戦が始まるかもと思うとやりきれない
ものがあります。こういうことは人類が生存する限り終わらないのでしょうかね。
今日は娘の参観日(Curriculum Night)なのですが、重苦しいものにならざるを得ないかと思うと
残念です。